「アパート経営でかかる修繕費の相場はいくら?」
「アパート経営でかかる修繕工事の内容が知りたい」
上記のような疑問を持つ方もいるのではないでしょうか?
アパート経営を行うにあたり、長く経営していくためには、室内設備はもちろん、内装だけでなく外壁塗装や共用部の階段、廊下などの外観、外装部分も定期的なメンテナンスは欠かせません。
そのためには、どの箇所に修繕が生じ、どのくらいの費用がかかるのかを試算しておき、修繕するための資金計画を立てることが重要です。
そこで本記事では、アパート経営における修繕工事の必要性やその内容などについて徹底解説します。
「不動産投資で収入金額をあげたい」「賃貸不動産、賃貸経営を副業で行い資産形成したい」などといったサラリーマンの方、オーナー様は、ぜひ参考にしてください。
目次
アパート経営における修繕の必要性
アパート経営における修繕の必要性は、主に以下の通りです。
- 空室リスクを避けるため
- 入居者や近隣住民の安全を守るため
- 資産価値を維持するため
詳しく解説します。
空室リスクを避けるため
アパート経営における修繕の必要性を考える際、特に注目すべきは空室対策です。
アパートを賃貸する上で、空室は収益損失に直結します。建物に寿命があるのは否めない部分であるため、アパートの修繕が行き届いていなければ物件の魅力が低減します。
特に入居率が減ってしまうと、家賃収入が見込めず、結果的に赤字経営へと繋がってしまうのです。特に入居者は物件を選ぶ際、第一に考慮するのが物件の状態です。
現代の入居希望者は、以前にも増して物件の品質に敏感で、特に清潔感や安全性、設備の新しさを重要視します。
このようなニーズに応えるため、定期的な修繕等により物件を最適な状態に保つことが求められます。そのため、空室を作らないことが最大の注意点です。
入居者や近隣住民の安全を守るため
入居者や近隣住民の安全を守ることも、アパート経営の修繕が必要な理由となります。
アパートの設備や建物に不具合があると入居者や近隣住民に危害が及ぶ可能性があります。
例えば、外壁の劣化が進んでいる状態を放置すると、地震や台風などといった災害が起こった際に、倒壊して入居者や近隣住民が被害を被るといったようなリスクです。
安全性は、住宅を選ぶ上で重要な要素であり、この基準を満たさない物件は、いかに立地が良くても、設備が整っていても、入居者を惹きつけることは難しいでしょう。
資産価値を維持するため
アパート経営において、修繕の実施は資産価値の維持に直結します。
不動産投資の世界では、物件の価値はその物理的な状態に強く影響されるため、こまめなメンテナンスと適切な改善が必須です。
資産価値を維持、あるいは向上させるためには、物件が現代の居住基準に適合していること、そして時代に合わせた魅力を持ち続けていることが求められます。
資産価値が下がると売却する際に損失を被る可能性があるため、経年劣化が目立ったタイミングで、適度なメンテナンスを行うことが重要です。
アパート経営ではどのような修繕が必要になるのか?
アパート経営では、主に以下のような修繕が必要です。
修繕の種類 | 修繕の内容 | 頻度 | 費用相場の目安 |
---|---|---|---|
原状回復 | 入居者が退去した際に入居前の状態に戻すこと 入居者が住んでいるうちに部屋を傷つけた箇所などの修繕を行う 例:リビングや洋室、キッチンの壁紙、フローリング、クロスなどの変色の修理・ | 賃借人退去時 | 数万円~20万円程度 |
補修 | 建物や設備の劣化や損傷を修復すること 入居者の使用とは関係なく起こる不具合の修繕を行う 例:防水工事・クロスの張り替え工事・エアコンの修理、キッチンやトイレ、ユニットバスなどの水回りの工事など | 不具合の都度 | 5万円~10万円程度 |
予防修繕 | 建物や設備の劣化や損傷を未然に防ぐための修繕 定期的に点検を行い必要に応じて修繕を行う 例:雨漏り検査・劣化調査・シロアリ対策の修繕工事など | 周期的(1年~数年に1回)、退去時 | 5万円~10万円程度 |
大規模修繕 | 建物の主要な部分をまとめて修繕すること 建物の構造や設備の更新を行う 例:外壁のひび割れ・屋根の腐食修繕・給排水管の修理 | 数年~数十年に1回 (15年前後に1回が目安) | 数百万円~数千万円程度 |
アパート経営における修繕は、物件の価値を維持し、入居者に安全で快適な居住環境を提供するために不可欠です。
この修繕にはさまざまな種類があり、それぞれが物件の状態を良好に保つための特定の目的を果たします。
例えば、壁紙の補修や塗装のリフレッシュ、設備の小さな修理などは、物件を常に清潔で魅力的に保つために定期的に必要とされます。
ただし、計画的な長期修繕計画と収支計画を立てて、適切な時期にメンテナンスをすることが大切です。
アパートの修繕にかかる費用は誰が負担する?
アパートの修繕にかかる費用の負担については、一般的に大家さんと借主の間で、契約時に定められた条件に基づいて分担されます。
ここからは、以下2つのパターンについて詳しくご紹介します。
- 借主が負担する修繕費用
- オーナーが負担する修繕費用
貸主、借主負担の範囲(原状回復義務の範囲)でトラブルを起こさないよう、ぜひご確認ください。
もし、原状回復の範囲で不安を持っていましたら、国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を活用して、修繕工事の対応範囲を把握しましょう。
借主が負担する修繕費用
借主が修繕費用を負担するケースは、主に「日常的な使用から生じる損耗や小さな損傷」に関連します。
具体的には、部屋の壁にできた小さな穴や家具の設置時についたキズ、ドアノブの破損、水道の軽微なつまりなど、日々の生活の中で自然に発生するようなものです。
これらは、入居者の通常使用によるものと見なされ、修繕の責任は借主にあります。
修繕にかかる費用は敷金から差し引かれて、足りない場合は借主に請求されるといった流れです。
オーナー(貸主)が負担する修繕費用
オーナーの責任に属する修繕とは、基本的には物件の構造的な問題や、大規模な設備の故障、さらには経年による劣化など、入居者の日常使用とは無関係に生じる問題に対するものです。
これらの修繕は、物件を賃貸可能な状態に維持し、長期的な資産価値を保護することを目的としています。
オーナーが負担する修繕には、例えば、屋根や外壁の補修、老朽化した配管の交換、建物の耐震性強化、大規模な電気設備や給湯器の更新などが含まれます。
これらの外観部分は、一般的に10年〜15年で修理を検討するのがおすすめと言われています。
アパート経営におけるオーナーの修繕費用負担は、単に物件を維持するためのコストというだけではなく、長期的な収益性と資産価値の維持、市場競争力の確保という戦略的な観点からも極めて重要な投資であると言えるでしょう。
アパートが建ってから10年目に差し掛かったタイミングで、いつでも修繕工事ができるよう、毎月入居者から積み立てる修繕積立金をしっかりと貯めておくことが重要です。
アパート経営における修繕費の経費計上の考え方
アパート経営における修繕費の経費計上の考え方として挙げられるのは、主に以下2つです。
- 建物の修繕費が資本的支出に該当する場合は固定資産として計上する
- 建物の維持管理や原状回復のために支出する場合は経費として計上する
固定資産と必要経費の違いについて、詳しく解説します。確定申告時に役立つ情報なので、ぜひ参考にしてください。
建物の修繕費が資本的支出に該当する場合は固定資産として計上する
建物の修繕が資本的支出、つまり長期にわたって価値を提供し続けるような性質のものである場合、その支出は固定資産として計上されるという考え方があります。
資本的支出とは固定資産の価値や耐久性の増大のために支出した費用のことです。
建物を増築する、アパートにもともと備わっていた設備よりも高い性能の設備に更新するなどがこれに該当します。
そして、これらの資産の使用可能年数にわたって減価償却されることになります。
この方法により、支出の効果が長期にわたって発生することが認識され、その経済的利益が適切に期間に配分されることになるのです。
償却費として計上できれば、税金を抑えられるため、節税効果も期待できるでしょう。
なお、減価償却費の計算方法としては、定額法と定率法の2つがあります。
- 定額法:減価償却費=取得価額×定額法償却率
- 定率法:減価償却費=期首未償却残高(取得価額−減価償却累計額)×定率法償却率
取得価額を耐用年数で割るといった計算式も存在しますが、特に定額法については、実務上は定額法償却率を掛け合わせていくといった計算方法です。
建物の維持管理や原状回復のために支出する場合は経費として計上する
アパート経営における修繕費の経費計上について考える際、建物の維持管理や原状回復のために支出する修繕費は経費として計上することが可能です。
具体的には、日頃からメンテナンス、小規模な修繕、短期間で消耗する設備の更新など、物件の運用を継続するために定期的に必要となる費用がこれに該当します。
例えば、塗装の更新、小さな水漏れの修理、共用部の清掃といった活動は、物件を適切な状態に保つために継続的に必要な作業であり、これらの費用は経費として計上されます。
この経費計上の考え方は、アパート経営を円滑に進めるために重要な役割を果たせるでしょう。
アパート経営でかかる修繕費を抑えるポイント
アパート経営でかかる修繕費を抑えるポイントは、主に以下の通りです。
- 大きな不具合が生じる前に定期的に点検を行う
- 入居者審査をしっかりと行う
詳しく解説します。
大きな不具合が生じる前に定期的に点検を行う
アパート経営において修繕費を抑えるための有効な戦略の一つは、大きな不具合が生じる予測を立てておき、定期的に点検を行うことです。
このアプローチは、将来的に高額な修繕費が発生するのを防ぎ、物件の長期的な維持管理コストを低減させることを目指します。
大掛かりな修繕の突発的な発生リスクを低減します。日ごろから点検を行えば小さな不具合に気づきやすいです。
短期的なコストを若干増やす可能性がありますが、長期的には高額な修繕費用の発生を防ぎ、物件の資産価値を維持する上で大きなメリットといえるでしょう。
適切なメンテナンスができるよう、普段から建物の状態をチェックし、建物の補強工事を行うタイミングの判断はしっかりと行うことが大切です。
入居者審査をしっかりと行う
アパート経営でかかる修繕費を抑えるためには、入居審査をしっかりと行うことが重要です。
入居者審査で入居者のマナーや素行が悪くないか見極めるといったことが必要となります。
マナーや素行が悪いと部屋を乱暴に扱ったりルールを守らず部屋を汚したりする人もいるため、そういった場合は退去後、必要以上に修繕費が膨らむ場合があります。
そのような状況に陥らないためにも、入居者審査をしっかりと行いましょう。
アパート経営の悩みに関するご相談は新日本コンサルティングまで!
本記事では、アパート経営における修繕の必要性やその内容などについて詳しくお伝えしました。
アパート経営における修繕費の見積もりと内容の理解は、賃貸経営を長期にわたり成功させる上で不可欠です。
修繕費用は、空室防止の対策、入居者及び近隣住民の安全確保、資産価値の維持のために重要であるため、事前にシミュレーションしておくことが大切です。
適切に丁寧な修繕を行うことで、物件は常に魅力的な状態を保ち、不具合による損害や安全リスクを避けられるでしょう。
アパート経営の修繕工事内容については、管理会社に相談するのがおすすめですが、もしアパート経営について相談するなら、管理まで含めて長期間のサポートが充実している新日本コンサルティングへのご相談もおすすめです。
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