
アパート経営とは、収益を得るための不動産投資の一形態であり、事前準備や管理を適切に行うことで、不動産投資初心者も利益を得ることが可能です。
収益を発生させられれば、安定的な収入の獲得や資産形成ができるなどといったメリットも期待できます。
そこで本記事では、アパート経営のメリットやリスクを踏まえた上で、投資初心者でも成功するコツなどを紹介します。
「不動産投資で収入金額をあげたい」「給与所得だけでなく賃貸経営を副業で行い家賃収入を得たい」とお考えのサラリーマンの方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
アパート経営のメリット

アパート経営のメリットは、主に以下3つです。
- 安定収入が期待できる
- 初期費用を抑えやすい
- 資産形成ができる
詳しく解説します。
安定収入が期待できる
アパート経営の大きなメリットの1つは、安定した収入が期待できる点です。
賃貸借契約に基づく月々の賃料収入が得られ、入居希望者がいる限り一定の不労所得が継続的に期待できます。
比較的、収入の予測が立てやすく、本業以外の収入源としても活用することが可能です。
特にアパートは複数の住戸から成り立っているため、仮に一部の部屋が空室になっても、他の部屋が満室であれば、まとまった家賃収入が継続的に得られるでしょう。
常に満室時の状態を目指せることが理想です。
初期費用を抑えやすい
不動産投資では、ローンを利用して購入することが一般的ですが、アパート経営では自己資金が少なくても始めやすい傾向です。
理由は、アパートは建物の構造が簡素で一棟マンションより建築コストを抑えやすい点にあります。
比較的狭い土地にも建設可能であり、土地代が高額になりにくい地域でも適用できるため、初期投資を抑えることが可能です。
また、新築アパートではなく中古のアパートを購入することで、建設費用を大幅に削減できる可能性もあるため、コストをなるべく抑えたい方は、中古アパートもおすすめです。
資産形成ができる
不動産という実物資産を保有できるため、アパート経営を行うことで資産形成ができます。
アパートは複数の住戸からなるため、継続的な家賃収入が見込めますし、将来的には物件の売却によって利益を得ることも可能です。
安定したキャッシュフローは、日常の運営費用やローンの返済に充てるだけでなく、長期的な目線を見て将来的な修繕や新たな投資への資金としても利用できます。
資産形成ができれば、老後も安心できるでしょう。
相続への備えになる
不動産という形で資産を所有することで、相続時の財産評価を抑えることが可能です。
現金や有価証券に比べて、不動産の評価額は低く見積もられることが多く、結果として不動産相続税の負担を軽減できます。
さらに、アパート経営による安定した家賃収入は、相続後も継続して得られるため、遺族にとって経済的な安心感を提供します。
家賃収入は、相続人が毎月の生活費や他の必要経費に充てられるため、相続後の生活基盤を支える重要な収入源となるでしょう。
相続税対策を行うのであれば、アパート経営を行うのもひとつの手法です。
アパート経営で考えられるリスクと対応策

アパート経営で考えられるリスクは、主に以下の通りです。
- 空室リスク
- 老朽化のリスク
- ローンの金利上昇リスク
- 入居者とのトラブルリスク
詳しく解説します。
空室リスク
アパート経営において最も懸念されるリスクの一つは空室リスクです。
入居者が見つからず、アパートに空室が発生すると収入が減少する可能性があり、経営を圧迫することになります。
収入が減少するとローンの返済負担も重くなるため、収益化どころか赤字経営となってしまうでしょう。
対処法としては、まず、立地選びが重要です。需要の高いエリアに物件を所有することで、空室リスクを大幅に低減できます。
駅近、大学や大企業の近く、商業施設が充実している地域などは特に人気が高く、空室が埋まりやすい傾向にあります。
物件購入時には、周辺環境の賃貸需要をしっかりと調査し、将来的な人口動向も考慮することが重要です。
また、適切な家賃設定も欠かせません。市場相場と比較して適正な家賃を設定することで、競争力を保ちます。
高すぎる家賃は空室を招きやすく、安すぎる家賃は収益性を低下させるため、バランスを取り、空室対策を行うことが重要です。
老朽化のリスク
アパート経営をしていると、時間の経過とともに、建物や設備が劣化する恐れがあります。
建物の経年劣化に伴い修繕費用がかさむため、しっかりと資金繰りをしていなければ、修繕費用が払えず、結果的に資産価値が落ち入居者も集まらなくなってしまいます。
そのため、定期的なメンテナンスが不可欠です。建物の外壁や屋根、共用部分の状態を定期的に点検し、必要に応じて修繕を行います。
特に、雨漏りやひび割れなどの問題が発生した場合は、早急に対応することが重要です。これにより、大規模な修繕を避け、建物の寿命を延ばせます。
また、地震や台風などの自然災害によって建物に亀裂が入るといった災害リスクもあるため、常にイレギュラーなことを想定して事前に備えておきましょう。
ローンの金利上昇リスク
アパート経営のリスクの中には、ローンの金利上昇リスクが存在します。
特に変動型のローンの場合は、金利が上昇すると毎月のローン返済額が増加し、キャッシュフローに大きな影響を及ぼす可能性があります。
対策方法としては、金利が上がっても返済を続けられる借入金額や返済期間を設定することが重要です。
ローンを組む際には、固定金利と変動金利のいずれかを選択する必要があります。固定金利は返済期間中の金利が一定であり、金利上昇リスクを回避できます。
一方、変動金利は市場の金利動向に応じて変動するため、将来的に金利が上昇するリスクがあります。
安定したキャッシュフローを確保したい場合は、固定金利を選ぶことが賢明です。
入居者とのトラブルリスク
入居者とのトラブルリスクも、アパート経営におけるリスクの1つです。
このリスクには家賃の滞納や騒音問題、設備の破損、契約違反などが含まれます。
これらのトラブルは、オーナーにとって経済的な負担や管理の煩雑さを増加させる可能性があります。
対策方法としては、まず、入居者の審査を徹底することが重要です。
入居者の信用情報を確認し、家賃支払い能力や過去のトラブル歴を調査することで、信頼できる入居者を選定できます。
審査の際には、収入証明書や勤務先の確認、過去の賃貸履歴などをチェックすることが有効です。これにより、家賃滞納やトラブルのリスクを事前に減らすことが可能です。
次に、明確で詳細な賃貸契約書を作成することが重要です。契約書には、家賃の支払期日、禁止事項、修繕の責任範囲、退去時の条件などを具体的に明記します。
これにより、入居者とオーナーの間での誤解やトラブルを防げます。また、契約書の内容を入居者にしっかりと説明し、同意を得ることも大切です。
アパート経営にかかる主な費用
アパート経営にかかる主な費用は、主に以下2つです。
- 初期費用
- ランニングコスト
詳しく解説します。
アパート経営に必要な初期費用
アパート経営に必要な初期費用は、一般的な目安として不動産価格の10%~30%と言われています。
例えば、総投資額が5,000万円の場合、500万円から1,500万円程度用意するのが望ましいです。
具体的な費用の内訳は、以下の通りです。
*アパート経営に必要な初期費用 ・物件価格(物件購入費用)や土地の取得費用:アパート建築費は木造、鉄骨造、RC造の順に高くなる傾向 ・不動産取得税:不動産を取得した際に貸される税金 ・印紙税:文書や契約書などを作成した際に必要となる収入印紙の費用 ・消費税:物件価格の10% ・登記費用:不動産登記を行う際にかかる登録手数料 ・各種保険料:火災保険や施設賠償責任保険など ・融資関連費用:金融機関との融資契約時の事務手数料、保証料など |
アパート経営のランニングコスト
アパート経営にはさまざまなランニングコストが発生します。これらのコストを正確に理解し、適切に管理することは、安定した経営を続けるために不可欠です。
*継続的にかかる費用 ・水道光熱費:アパート共用部の設備にかかる電気使用料や水道使用料など ・各種保険料:損害保険料、火災保険料、地震保険料など ・管理費:管理会社に委託する場合は一般的には家賃の5%~8%程度かかる ・借入金の返済:利息を含む ・所得や不動産の所有にかかる税金:所得税、住民税、固定資産税、都市計画税など *必要に応じてかかる費用 ・原状回復費用・修繕費:入居者の退去ごとに部屋の原状回復を行う 10〜30年ごとに大規模修繕なケースもある ・リフォーム費:壁紙やフローリングの張替えなど ・入居者の募集費用:広告の出稿費など ・仲介手数料:不動産会社に支払う手数料 |
アパート経営における確定申告の必要性
アパート経営において確定申告は不可欠です。確定申告を適切に行うことで、法律を遵守し、税務上のメリットを享受できます。
家賃収入がある場合、年間の家賃収入が20万円以上であれば確定申告が必要です。たとえ賃貸経営が赤字であっても、必ず申告しなければなりません。
不動産所得は1年間で得た総収入から必要経費を差し引いて計算します。
所得税の計算方法:課税所得金額×税額–税額控除
経費計上を適切に行うことで、課税所得金額を低減でき、節税効果が期待できます。
なお、青色申告することで最大65万円控除でき、より節税効果が期待できるため、「税率を下げたい」「節税対策を行いたい」という方は、検討してみてください。
アパート経営を始める流れ
アパート経営を始める流れは、主に以下の通りです。
- Step1:物件や土地の情報収集と選定
- Step2:資金調達
- Step3:物件の取得
- Step4:管理方法の選定
徹底解説します。
Step1:物件や土地の情報収集と選定
まずは物件や土地の情報収集と選定が必要です。
情報収集の主な方法は、以下の通りです。
- インターネットで情報を集める
- 不動産会社に問い合わせる
- 不動産投資のプロに相談する
インターネットで情報を集めたり、不動産会社に問い合わせたりして、入居者の需要に直結する物件を選べるようにしましょう。
物件の主な取得方法は、以下の通りです。
- 中古の一棟アパートを購入する
- 所有する土地や新たに購入した土地にアパートを建築する
どちらかを選択し、良いアパート経営ができるような環境を整えましょう。
Step2:資金調達
アパート経営を始める際には、資金調達が不可欠です。
資金調達は物件購入や運営のための資金を確保するために重要なステップであり、これを適切に行うことで、経営の安定性と成功の可能性が高まります。
資金の主な調達方法は、以下の通りです。
- 自己資金
- 銀行の融資(アパートローン)を受ける
一般的に、アパート経営に伴う資金調達は、融資を選択することが多い傾向があります。
融資が受けられる金額は物件の価値や自身の年収、勤務先などの条件によって異なりますが、目安は年収の7〜10倍とされています。
Step3:物件の取得
資金調達後は、物件の取得です。
土地や物件の売買契約を締結させる必要があり、建築する場合は、建築会社や工務店と工事請負契約を結びます。
中古物件を取得する場合、リフォームが必要なことがあるため、注意が必要です。
Step4:管理方法の選定
次に、管理方法の選定を行います。
主な管理方法は、以下の通りです。
- 自主管理
- 不動産管理会社へ管理委託
自主管理は、オーナー自ら管理業務を行う方法であり、入居者募集や審査、家賃の回収、入居者のトラブル対応、契約更新、建物のメンテナンスなどが該当します。
管理手数料がかからないというメリットがある一方で、専門的な知識が必要だったり時間や労力がかかったりします。
不動産管理会社へ管理委託する場合、管理手数料こそかかるものの、入居者募集やトラブル対応などの手間がかかる業務を全て対応してくれる点が大きなメリットです。
Step5.入居者を募集する
最後に、入居者を募集します。
入居者の主な募集方法は、広告の配布や不動産ポータルサイトへの掲載などです。
自主管理の場合はオーナーが入居者の管理業務や賃貸借契約の締結を行いますが、管理会社に委託している場合、実務は管理会社が行うため、業務負担を軽減できます。
初心者がアパート経営を成功させるポイント
初心者がアパート経営を成功させるポイントは、主に以下の通りです。
- 目的を明確にする
- 入居者のイメージを絞る
- プロに協力を依頼する
成功率を上げるためにも、ぜひ以下4つの内容を解説します。
目的を明確にする
アパート経営を成功させるためには、まず目的を明確にすることが重要です。初心者にとって、目的をはっきりさせることは、経営戦略を立てる際の指針となり、成功への道筋を明確にします。
具体的には、設定した目的や収益目標に近づいているか定期的に確認を行うことが大切です。
明確な目標設定は、大きな失敗を回避するのに有効的です。
入居者のイメージを絞る
アパート経営を成功させるためには、入居者のイメージを絞ることが重要です。
ターゲットとする入居者層を明確にすることで、物件の選定や管理、マーケティング戦略を最適化し、安定した経営を実現できます。
具体的には、地域の賃貸需要や競合となる近隣の物件の状況をリサーチし、ターゲットを絞ります。
ターゲットのニーズに合わせて間取りや設備を工夫することで、入居率を上げやすいでしょう。
収支計画を具体的に立てる
アパート経営を成功させるためには、収支計画を具体的に立てることが必須です。明確な収支計画を立てることで、経営の安定性を確保し、将来的なリスクを管理できます。
内容としては、初期費用とランニングコストを見積もり、収益化に必要な賃料や年数を計算します。
具体的な金額を設定することで、目標に向けた資金計画を立てやすいでしょう。いくら収益が発生してどのくらい支出がかかるのかを把握した上で、お金に関する目標を立てることが大切です。
事前にシミュレーションしておき、返済計画をたてましょう。
プロに協力を依頼する
アパート経営を成功させるためには、プロに協力を依頼することが重要です。
初心者にとって、経験豊富な専門家のサポートを得ることで、経営のリスクを減らし、効率的かつ効果的な運営が可能になります。
特にアパート経営の成功には不動産や経営に関する専門的な知識が必要です。例えば、建築基準法や宅建業法、民法など不動産取引に関する知識などが該当します。
これらの知識を自分で学ぼうとすると、時間がかかり非効率的になるため、プロに協力を仰ぐと良いでしょう。
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本記事では、アパート経営のメリットやリスクを踏まえた上で、投資初心者でも成功するコツなどをお伝えしました。
アパート経営を行うことで、継続的に安定的な収益を得られたり資産運用ができたりなどのメリットが期待できますが、空室率が高くなることや老朽化などのリスクも存在します。
リスクをなるべく回避するためには、経営するために必要なコストを把握し、しっかりと目的を持った上で収支計画を立てるようにしましょう。
とはいえ、投資初心者の方がアパート経営するとなれば、成功できるか不安に思う方もいるでしょう。
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