マンション経営の利回りとは?種類や計算方法、注意点

公開日:2025年03月31日
最終更新日:2025年04月07日

「マンション経営において利回りはどう計算するの?」
「利回りを高めるにはどうすれば良い?」

上記のような疑問を抱えている方もいるのではないでしょうか?

マンション経営は不動産投資の一形態として人気のある手法ですが、その成功の鍵を握るのが「利回り」です。利回りは投資の収益性を示す重要な指標であり、マンション経営を始める前に十分に理解しておく必要があります。

本記事では、マンション経営の利回りについて、その種類や計算方法、注意点などを詳しく解説します。

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マンション経営の利回りの概要と計算方法

マンション経営の利回りとは、投資額に対して得られるリターンを割合で表したものです。適切な利回りを把握することで、投資の収益性を正しく評価できます。

マンション経営の利回りの種類と計算方法

マンション経営において利回りには下記の3種類があります。それぞれの特徴や計算方法について説明します。

  • 表面利回り
  • 想定利回り
  • 実質利回り

表面利回り

表面利回りは、マンションの購入価格に対する年間家賃収入の割合を表す基本的な指標です。この指標は、購入時や運用時にかかる経費を含めないため、簡単に計算できるという特徴があります。

計算式:表面利回り=(年間家賃収入÷物件購入価格)×100

例えば、5,000万円のマンションを購入し、年間の家賃収入が300万円の場合、表面利回りは6%となります。

(300万円÷5,000万円)×100=6%

表面利回りは物件の収益性を素早く比較するのに役立ちますが、実際の利益を正確に反映していないことに注意が必要です。

想定利回り

想定利回りは、満室を想定した場合の収益性を表す指標です。この指標は、物件の潜在的な収益力を評価するのに有用です。

計算式:想定利回り=(満室時の年間家賃収入÷物件購入価格)×100

例えば10部屋あるマンションで、1部屋あたりの月額家賃が10万円の場合、満室時の年間家賃収入は1,200万円(100万円×12カ月)です。物件価格が2億円とすると、想定利回りは6%になります。

(1,200万円÷2億円)×100=6%

想定利回りは満室という理想的な状況を想定しているため、実際の収益性とは乖離がある可能性がある点は押さえておきましょう。

実質利回り

実質利回りは、表面利回りに経費を含めた収益性を表す指標です。この指標は、実際の利益に最も近い数字を示すため、投資判断において非常に重要となります。

計算式:実質利回り=(年間家賃収入-年間経費)÷(物件購入価格+購入時の諸費用)×100

例えば、年間家賃収入が600万円、年間経費が200万円、物件購入価格が1億円、購入時の諸費用が500万円の場合、実質利回りは約3.8%となります。

(600万円-200万円)÷(1億円+500万円)×100=約3.8%

実質利回りは経費を含んでいることからより現実的な収益性を示すため、マンション経営の成否を判断する上で重要な指標となります。

【マンションの種類別】利回りの傾向

新築マンションと中古マンションでは、一般的に利回りの傾向が異なります。新築マンションの利回りは、物件の購入価格が高額になりやすいため、低くなることが多いです。例えば都心部の新築マンションでは、3%前後の利回りも珍しくありません。一方、中古マンションの利回りは新築マンションに比べて高い傾向があります。これは、物件の購入価格が新築より割安なことが多いためです。適切にリノベーションを行うことで、5%以上の利回りを実現できる可能性があります。

【地域別】利回りの傾向

マンション経営の利回りは、地域によっても大きく異なります。都市部でマンション経営を行う場合、物件の購入価格が相対的に高めのため、利回りは低くなる傾向があります。例えば、東京都心部(23区)では3%~5%程度の利回りが一般的です。一方、非都市部でマンション経営を行う場合、物件の購入価格を低く抑えやすいため、利回りは都市部より高くなりやすいです。地方都市では、6%~8%程度の利回りを実現できるケースも少なくありません。

マンション経営の利回りに影響する収入・支出

マンション経営の利回りを正確に把握するためには、収入と支出の両面を理解することが不可欠です。ここでは、利回りに影響する具体的な項目を見ていきましょう。

マンション経営を始める際の初期費用

マンション経営にかかる初期費用は、利回り計算の分母となる重要な要素です。主な初期費用には以下のようなものがあります。

1.物件の取得費用:マンションの購入価格

2.リフォーム費用:必要に応じて行う内装や設備等の改修費用

3.諸費用:仲介手数料、登記費用、不動産取得税、ローン契約にかかる費用、契約書に貼付する収入印紙代、司法書士報酬など

マンション経営から得られる収入

まず、マンション経営で得られる収入には、以下のような種類があります。

1.家賃:入居者から毎月得られる基本的な収入

2.敷金・保証金・礼金:入居時に得られる一時金(敷金・保証金は返却しない分が収入となる)

3.更新料:契約更新時に得られる収入(地域や契約内容により異なる)

4.駐車場代:駐車場がある場合の追加収入

5.共益費:共用部分の維持管理費として徴収する費用

これらの収入のうち、一般的に利回り計算に利用するのは家賃収入です。すでに入居者がいる場合は実態に即した収入額を、新築物件では想定する空室率を加味して年間の家賃収入を計算します。

マンション経営で発生するランニングコスト

マンション経営には、以下のようなランニングコストがかかります。

1.ローン返済費:物件購入時にローンを組んだ場合の返済額

2.管理委託費:管理会社に管理を委託する場合の費用

3.修繕費:建物や設備の修繕にかかる費用

4.リフォーム費用:入居者が退去した際の内装改修費用

5.保険料:火災保険や地震保険、施設賠償責任保険などの保険料

6.水道光熱費:共用部分の水道代や電気、ガス代

7.固定資産税・都市計画税:マンション(土地+建物)に対して毎年課税される税金

ランニングコストを正確に把握して利回りを計算することで、マンション経営の収益性を正しく評価できます。また、ランニングコストを適切に管理することで、利回りを向上させる余地がある点も覚えておきましょう。

マンション経営において利回りを高めるポイント

マンション経営において高い利回りを維持できれば、長期的に安定した運営を続けやすくなります。ここでは、利回りを高めるための具体的なポイントとして以下2点を紹介します。

  • 魅力的な物件の取得・建築
  • 管理会社に委託する業務の適正化

魅力的な物件の取得・建築

安定した需要を獲得し、マンションの空室を減らすためには、魅力的な物件を取得または建築することが重要です。入居希望者を惹きつけるような付加価値を付けることで、競合物件との差別化を図れます。具体的には以下のような設備やサービスが考えられます。

1.オートロック:セキュリティ面で安心感を与える

2.宅配ボックス:入居者の利便性を高める

3.無料インターネット:若年層や在宅ワーカーに人気

4.防音設備:楽器を趣味とする人や夜勤のある人へのアピールポイントになる

5.省エネ設備:光熱費の節約になり入居者の費用負担を下げる

6.ペット可物件:ペットを飼っている(飼いたい人)からの需要を集められる

こうした設備・サービスを備えることで、入居者が集まりやすくなるだけでなく、長期入居してもらえる可能性を高められます。高付加価値化、差別化されたマンションは代替する物件が少ないため、入居者にとって長く住み続けたい理由になるのです。ただし、どのような設備・サービスを取り入れるかは、マンションのターゲットに合わせて選択することが重要です。

管理会社に委託する業務の適正化

自主管理は手間がかかるため、多くのオーナーが管理会社を利用しています。しかし、管理会社へ支払う管理委託費が利回りを下げる原因になるケースもあるため、委託する業務を適正化して費用負担を抑えることが重要です。自身でできることと管理会社に任せる業務を精査し、費用対効果が高い状態を目指しましょう。

ただし、過度な自主管理はオーナーの負担増や入居者対応の品質低下などにつながる可能性があるため、バランスを考慮することが求められます。自身の能力やマンション経営に使える時間を踏まえて、適切な管理方法を選択しましょう。

マンション経営の利回りを考える際のポイント・注意点

マンション経営の利回りを適切に評価し、管理するためには、いくつかの重要なポイントと注意点があります。ここでは、利回りを考えるうえで押さえたいポイント・注意点として以下2点を取り上げます。

  • 利回りに影響を及ぼす要素を理解する
  • 利回りだけで判断をしない

利回りに影響を及ぼす要素を理解する

マンション経営の利回りは多くの要素の影響を受けます。影響し得る要素としては、空室率の上下、ローン金利の変動、周辺環境の変化、経済状況の変化、税制の変更、建物の経年劣化などが考えられます。

これらの要素が利回りに与える影響を理解し、適切に対処することが重要です。例えば、空室率の上昇に対しては、物件の魅力向上や家賃の見直しを行うことで対応できる可能性があります。また、ローン金利の上昇リスクに備えて、固定金利型のローンを選択することも一つの対策です。

マンション経営を成功させるには、自身で情報を収集し勉強することも重要なものの、適宜税理士や弁護士、不動産会社などの専門家を頼ることも忘れてはいけません。専門家のアドバイスを受けることで、より適切な判断が可能になり、長期的な利回りの安定化につながります。

利回りだけで判断をしない

利回りは重要な指標ですが、これだけを見て物件を購入したり、経営判断をしたりするのは危険です。利回りが高い物件が必ずしも良い物件とは限らないからです。例えば、適切に管理されておらず状態が悪い、立地が悪いといったネガティブな理由から物件価格が下がり、利回りが高く出ている可能性があります。こうした物件を購入してしまうと、後から高額の支出が発生したり、期待する入居率を維持できなくなったりするリスクがあります。

また、経営時に利回りを高めることばかりを意識して、支出を抑えすぎるのも望ましくありません。必要なメンテナンスや設備投資を怠ると、物件の魅力が低下し、結果的に空室率の上昇や賃料の低下を招くおそれがあります。マンション経営は長期的な視野で利回りを考え、トータルで目標とする利回りを達成することを目指しましょう。例えば、5年間の平均利回りで評価すれば、その期間中に短期的に利回りが下がっても、将来的な利回り向上につながる設備のアップデートや改修などに費用を拠出する、という決断ができるようになります。このように、利回りだけでなく中長期を見据えてすべきことに目を向ければ、結果的に長く安定した経営を行えるようになるでしょう。

マンション経営の悩みに関するご相談は新日本コンサルティングまで!

マンション経営において利回りは投資判断の参考となる重要な指標であり、長期的に高い利回りを維持することが経営の安定につながります。そのためには、適切な管理により物件の価値を維持・向上させ、一定の入居率を確保することが大切です。しかし、管理業務を適切に行うには、経験と専門知識が必要です。そうした課題を解消するために、マンション経営に関してサポートが充実している不動産会社をパートナー企業に選ぶことをおすすめします。賃貸管理や経営について必要な時にすぐに相談できる体制をつくれれば、大きな安心感につながるでしょう。

新日本コンサルティングは、マンション経営に関する豊富な経験と専門知識を持ち、物件選びから運営管理まで、マンション経営に関する総合的なサポートを提供しています。マンション経営に興味のある方は、ぜひ以下から気軽に資料請求やお問い合わせください。

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この記事の監修者:北嶋 憲

北嶋 憲

株式会社新日本コンサルティング アセットマネジメント事業部部⾧

1974 年1月生まれ
自身も複数棟のアパート経営を行うサラリーマン大家