
マンション経営やアパート経営は儲からないのではないか、という不安や心配から、不動産投資への一歩を踏み出せずにいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際に、「マンション経営は儲からない」「失敗して損した」という話を耳にしたことがあるかもしれません。
しかし、安定して儲かっているマンションオーナーが存在するのもまた事実です。失敗した人と儲かる人、その違いは一体どこにあるのでしょうか。
この記事では、「マンション経営は儲からない」と言われる理由や、儲かるマンション経営の戦略を解説します。マンション経営に対する疑問や不安を解決することで、成功するマンションオーナーへの道筋が見えてくるはずです。
目次
マンション経営が「儲からない」と言われる理由5つのパターン
マンション経営が「儲からない」と言われる背景には、共通するいくつかの理由があります。それらの理由は、不動産に特有のリスクに基づいています。これらのリスクを一見すると、マンション経営そのものを危険な投資だとイメージするかもしれません。しかし、それぞれのリスクを理解することが、投資を正しく評価するうえで重要です。
ここでは、「儲からない」と語られる主な理由を5つ、一つずつ詳しく見ていきましょう。
借入額が大きく、返済期間が長い
マンションなどの不動産は数千万円から数億円と高額なため、個人が自己資金だけで購入するケースは稀です。銀行などの金融機関から20~30年ローンという形で、物件価格の7割から8割程度、あるいは全額を借り入れて購入する場合が多いです。
当然、数千万円単位の借入に対して強い抵抗を感じる方もいらっしゃるでしょう。「ローンを完済するまでは儲かっていない」という感覚に陥り、「本当に返済し続けられるのか」と不安になるのは無理もありません。
しかし、「借入残高がある=損をしている」というのは誤解です。
不動産の購入は、お金を失う消費ではなく、「現金」を「不動産」という資産と交換する行為だからです。
まず、「保有する不動産の価値」が「借入残高」を上回っていれば、万が一の際も売却して清算できる可能性が高いため、財務状態は健全と言えます。さらに、毎月の家賃収入がローンの返済額や運用費用(ランニングコスト)を上回る状態(キャッシュフローが黒字)であれば、借入は計画的に返済されており、同時に利益も積み上がっているため、借入残高があっても経営は順調と考えられます。
したがって、真に注意すべきは、借り入れた資金と交換した「資産価値」や、借入の返済原資である「家賃収入」が崩れることです。
つまり、借入への漠然とした恐怖に囚われるのではなく、それぞれの物件の資産価値の維持力や稼ぐ力を見極めることこそが重要となります。
また、借入はプレッシャーとなる反面、少額の自己資金で高額な資産の運用益を得ることを可能にする「レバレッジ効果」という側面も持ち合わせています。しっかりとリスクマネジメントして活用すれば、自己資金だけでは難しいスピードで資産形成を加速させる、強力な武器となり得るのです。
運用コストがかさみ、お金が手元に残らない
マンション経営では、家賃収入がそのまま利益になるわけではありません。管理費や光熱費、税金といった定期的な支出に加え、修繕や設備の交換などの突発的な費用も発生します。これらコストがかさみ、手元のキャッシュフローが圧迫されると「これでは儲からない」と感じてしまうのは当然です。
では、具体的に、どのような状況でキャッシュフローが悪化するのでしょうか。
まず、管理状態が悪い物件や修繕が適切に行われていない物件を購入してしまうと、すぐに設備の不具合や大規模な修繕が必要になり、出費を強いられる場合があります。また、そもそも立地や建物のスペックが低い物件では、収益力が弱く、キャッシュフローが圧迫されやすいです。つまり、購入の段階で「家賃収入を維持しやすい健全な物件か」をチェックすることが重要です。
また、過剰なリフォーム・設備投資を行うと、投資費用を回収するのに長期間かかったり、回収しきれなかったりするケースもあります。逆にコストを惜しんで必要な修繕を先送りにし、建物の収益力を低下させてしまったり、かえってより多くの修繕費が必要になったりする場合もあります。こうなると、家賃収入は下がっていくのにコストは増えていくといった事態を招きます。つまり、「家賃収入の維持に必要な出費か、費用対効果は適切か」という視点を持つことが重要です。
このように、手元に資金が残るかどうかは、物件本来のポテンシャルと、コスト管理に左右されます。決してマンション経営自体が儲からない構造なのではなく、この二つを冷静に見極めコントロールすることができれば、安定した収益を確保することが可能となります。この経営視点が、利益を残せるオーナーとそうでない人の分かれ道となります。
売却で儲からない
マンション経営における「売却」は、利益を決定づける出口戦略として重要な局面ですが、「売りたいときに希望額で売れる」とは限らないのが現実です。
株式やFXなどの金融商品は、市況によっては、短期間での価格変動(ボラティリティ)を利用して大きな売買益を得ることも可能です。一方、不動産投資で同様のことを期待すると「儲からない」と感じる、あるいは諸費用負けして「損をする」ことになりかねません。
不動産は買い手を見つけて売買契約を結ぶまでには時間がかかり、株式のようにクリック一つで即座に現金化することはできません。 また、5年以内の短期売買は長期保有した場合より高い税率になり、税制上不利です。 したがって、「少し値上がりしたからすぐに売ろう」といった短期的な売買で大きなキャピタルゲイン(売却益)を得ることは構造的に難しいのです。
しかし、あくまでこれは「短期間で儲かる可能性がある最大値」を見た場合です。
株などの金融商品は、企業の業績悪化や不祥事などで価値が暴落し、紙切れ同然になるリスクがあります。市場の暴落時にパニックになり、焦って売って損を確定させてしまうケースも多いです。短期間で大きく儲かる可能性もあるが、逆に短期間で大きく損する可能性もあるということです。
しかし、不動産という実物資産は、たとえ市況が悪化したり売却価格が下がっていても「土地」と「建物」そのものが消えてなくなるわけではありません。適切に管理されていれば、家賃収入(インカムゲイン)を生み出し続けます。つまり、市況が悪い時は無理に売らず、家賃を受け取りながら有利に売却できるタイミングを「じっくり待つ」という選択ができるのです。
マンション経営は、短期的な価格変動に一喜一憂する必要がなく、時間を味方につけて資産を守りながら育てていく、長期的で堅実な資産形成手段と言うことができます。
専門知識がない初心者には難しい
マンション経営には、不動産だけでなく、法律、税金、財務など、非常に幅広い専門知識やノウハウが求められます。これらの複雑さを考えると、マンション経営はハードルが高く感じるかもしれません。また、「騙されて損をした」という話を聞いたことがあるかもしれません。「初心者は専門知識がないために騙されてしまうのではないか」と不安になるかもしれません。
しかし、マンション経営で利益を出すのに、必ずしもオーナー自身が専門知識を身につける必要はありません。重要なのは高度な専門知識ではなく、「リスクを理解しようとする姿勢」です。深い専門知識や難しい実務は、パートナーである専門家のノウハウをフル活用すれば良いのです。
「騙されて損をした」という場合、本当に騙されてしまった可能性もありますが、実は「リスクへの理解不足」が原因で、そう感じてしまっているケースも少なくありません。メリットばかりを鵜呑みにし、リスクをよく理解しないまま投資をしてしまうと、いざマイナスの事態が起きたときに「話が違う」「騙された」と感じてしまうのです。
不動産投資に限らず、投資には必ずリスクがあります。しかし、それぞれのリスクの性質や大きさは様々です。リスクを理解することで、自身が許容できるリスクか、対処可能なリスクか、リターンとのバランスはどうかを判断することが重要です。このように、リスクを理解することで自身にあった投資戦略を選ぶことができます。その姿勢があれば、マンション経営は、専門家の力を借りることで一人では難しいような利益を生み出すことが可能です。
人口減少で賃貸需要は減少する
日本の人口は、2008年をピークに減少に転じており、その減少幅も年々拡大しています。国立社会保障・人口問題研究所の報告書によると、2055年頃には、日本人口は1億人を下回るという予想が示されています。人口が減少すれば、結果的に賃貸需要も減少すると考えるのは自然な流れと言えるかもしれません。
しかし、日本の不動産市場全体で一様に賃貸需要が減少しているわけではありません。実際には、地方から都市部、特に東京、埼玉、千葉、神奈川への人口流入が顕著であり、この地域では依然として旺盛な賃貸需要を維持しています。特に単身者向けの賃貸需要は堅調です。
この現象は、コロナ禍以降の経済活動の回復による都心回帰の流れや、企業の集中、教育機関の集積といった要因が大きく影響しており、都心エリアでは相対的に賃貸需要が高まっているのです。
さらに、国勢調査(2020年)によると、一人暮らし(単身世帯)が世帯数の38.1%を占め、親子世帯(34.1%)を上回りました。この背景には未婚化・晩婚化、ライフスタイルの変化があり、単身向けの部屋の需要はむしろ増えていると言えます。
日本全体の不動産市況動向として人口減少という大きな波がある一方で、一部エリアでは賃貸需要が増加しているという実態を理解することが重要です。
「儲からない」という情報の裏側
インターネットや書籍で「マンション経営は儲からない」という情報を見かけることがありますが、その背景を冷静に理解し、事実と意見を区別することが重要です。
また、すべての情報が、マンション経営を検討している人のために中立的な立場で書かれているとは限りません。
情報を鵜呑みにするのではなく、その背景を読み解く視点を持つことで、より正確な判断ができるようになるでしょう。
ケース1:個人の失敗談を過度に一般化している
ブログやSNSで目にする「マンション経営で失敗した」という体験談は、非常にインパクトが強いものです。本人は悪意なく、善意の注意喚起として発信している場合もあります。
しかし、それらは個別の事例に過ぎず、マンション経営の全てが同じ結果になるわけではありません。失敗には必ず何らかの原因があります。例えば、物件選びのミスや資金計画の甘さ、信頼できない管理会社を選んでしまったなど、失敗の背景には様々な要因が考えられます。これらの個別の原因を考慮せず、特定の失敗談の「結果」だけを過度に一般化して、マンション経営は儲からないと捉えて敬遠してしまうのは、機会損失と言えるでしょう。
人間の脳は損失に反応しやすいため、成功談より失敗談のほうが強く印象に残っているかもしれません。しかし、むしろ個人の失敗談を具体的な避けるべき事例として参考にし、失敗要因を潰していくことで成功への可能性を高めることができます。
ケース2:ハイリスク・ハイリターンの投資商品と比較している
マンション経営を「儲からない」と語る情報の中には、単に利回りを根拠に、相対的に「儲からない」と表現しているケースも少なくありません。このような情報は、マンション経営と比較することで、他の投資商品の魅力を強調したり勧誘したりする意図を持って発信されている場合も多いです。
しかし、投資にはそれぞれ異なるリスクがあり、許容できるリスクの範囲も人によって違います。特に、魅力的な高利回りの商品は、ハイリスクである可能性が高いです。一方、不動産投資は一般的にミドルリスク・ミドルリターンと説明されることが多く、安定的な家賃収入を長期的に得られる点が特徴です。
投資がどのようなリスクを取っているのか、メリットとデメリットを理解し、自身のライフプランやリスク許容度に合わせて比較検討することが重要になります。安易に高利回りだけを追求するのではなく、リスクとリターンのバランスを見極めることが、賢明な投資判断につながります。
儲かるマンション経営の3つの戦略
なぜ、マンション経営で成功する人と失敗する人がいるのでしょうか。その違いは、長期的な視点に基づいた「戦略」の有無にあります。ここでは、儲かるマンション経営を実現するための3つの戦略を具体的に解説します。
長期的な視点で資産を育てる
不動産投資の真価は、長期運用によって発揮されます。
マンション経営における「儲け」は、「インカムゲイン(家賃収入)」と「キャピタルゲイン(売却益)」の2つに分けられます。5年、15年といった長期スパンでインカムゲイン(家賃収入)を受け取りながら、時間をかけて借入金を返済することで、最終的なキャピタルゲイン(売却益)を着実に増やしていくことができます。
また、長期的な資産形成において、節税も重要な観点です。
例えば、不動産が個人での所有の場合、青色申告をすることで、最大65万円の特別控除を受けられるため、より多くのキャッシュを手元に残すことができます。さらに、減価償却などを活用して不動産所得を赤字計上し、給与所得と損益通算(相殺)することで、所得税や住民税の減額といった節税効果を受けられる可能性があります。
過度な節税目的での投資は危険ですが、正しく制度を活用することで得られるメリットは見逃せません。1年単位ではわずかな節税額に見えても、運用期間全体で積み上げれば決して無視できない大きな金額になるからです。このように手元の資金を確実に残していくことが、長期的な資産形成の成功につながります。
手元資金を確保し、リスクと機会に備える
自己資金をすべて物件購入に充てるのは得策ではありません。急な修繕費や空室発生といった不測の事態や、優良物件が現れたときの購入資金など、大切な余力となります。そのため、自己資金の全てを一点集中投資するのではなく、適度に余力を確保しておくことが重要です。資金的な余裕は、経営の安定性を高める「守り」であると同時に、新たな投資機会を掴むための「攻め」の元手にもなります。
さらに、「レバレッジ効果」という観点でも、自己資金を抑えることは一つの戦略となります。少ない自己資金でより大きな不動産を運用するほど、自己資金に対する投資効率は高まります。とはいえ、借入が増えると返済利子も増えるため、健全なキャッシュフローが出る範囲で、できる限り手元の現金を使わなくても買えるような物件を購入することが理想的です。自己資金を保全することで、不測の事態のリスクに備えつつ、効率的な投資を実現し、将来の投資チャンスを捉えることが可能です。
「購入時」に出口戦略まで見据える
物件を購入する段階で、出口戦略、すなわち「売却」まで見据えることはとても重要です。なぜなら、それまでのマンション経営が順調だったとしても、売却で失敗してしまうと、最悪の場合、投資全体がマイナスになりかねないからです。
また、購入時点では売却するつもりがなくても、急な資金需要など、売却を余儀なくされる不測の事態が発生する可能性もゼロではありません。したがって、購入を決める段階で、あらかじめ将来の「出口戦略(売却の計画)」を想定しておくことが重要です。
売却を有利にするためには、売却しやすく、かつ価値が落ちにくい物件を選んでおくことが重要になります。また、「大規模修繕が必要になる前に売却する」「子どもの進学資金が必要になる時期に売却する」など、売却の時期や目標をあらかじめ明確にすることで、選ぶべき物件の判断基準が明確になるでしょう。計画的な出口戦略があれば、市場の変化にも慌てず対応でき、最適なタイミングで利益を確定させたり、状況に応じて資産を組み替えたりすることが可能になります。行き当たりばったりの運用を避け、投資全体を成功に導くための羅針盤となります。
本当に儲かる?物件選びの3つの着眼点
マンション経営では、どの物件を選ぶかが、最初の分かれ道です。
長期にわたって利益を生み出し続ける「本当に儲かる物件」を見抜くためには、表面的な数字や見た目に惑わされず、その物件が持つ本質的なポテンシャル(稼ぐ力)を見極める必要があります。
ここでは、儲かる物件を選ぶために、特に重要となる3つの着眼点を解説します。
将来性が見込める「勝ち組エリア」を見極める
物件選びにおいて、「立地」は極めて重要な要素です。建物はリフォームできますが、「立地」は後から変えられないからです。長期的に安定した収益を確保するためには、将来にわたって「ここに住みたい」と選ばれ続ける、賃貸需要が途切れないエリアを選ぶことが大切です。
具体的には、以下の3つのポイントでエリアの将来性を見極めましょう。
・人口動態:人口が増加、または横ばいで推移しているか。
・利便性:最寄り駅へのアクセスや、スーパー、病院、公共施設など、日々の暮らしに欠かせない施設が充実しているか。
・将来性:再開発計画や新駅の開業予定など、将来的にエリアの価値を高めるプラス材料があるか。
特に、企業や大学が集まる東京都心部やその周辺エリア(一都三県)は、現在も人口流入が続いており、安定した賃貸需要が見込める代表的なエリアと言えます。
利回りに騙されず、実際のキャッシュフローを考える
物件情報に記載されている「利回り(表面利回り)」が高い物件は魅力的に見えますが、そこには落とし穴があるかもしれません。なぜなら、提示されている利回りはあくまで計算上の数値であり、将来の収益を保証するものではないからです。
不動産投資において、「利回りの高さ」は「リスクの高さ」の裏返しであるケースが少なくありません。 例えば、人気のないエリアや築年数が古く老朽化した物件など、買い手がつきにくい物件は、価格を下げざるを得ません。分母である物件価格が下がれば、計算上の利回りは高く見えますが、そこには「入居者が決まらない」「設備が壊れる」といったリスクが潜んでいるのです。
こうしたリスクを見落とすと、実際の運用で大きな誤算が生じます。 たとえ購入時の表面利回りが10%と高くても、半年間空室が続けば収入は半減し、実質的な利回りは5%以下になってしまいます。さらに、予期せぬ修繕で多額の出費が発生すれば、手元の利益がすべて吹き飛んでしまうことさえあります。
一方で、一見すると利回りが低く見える物件でも、人気エリアで競争力があり、空室期間を短期間に抑えられる物件であれば、安定して家賃収入を得られ、実際の収益額では「高利回り物件」を上回ることもあります。
「利回り」という数字を鵜呑みにせず、空室や修繕といったリスク(経費)を現実的に見積もり、「最終的に手元にいくら現金が残るのか(キャッシュフロー)」をシミュレーションすることが、賢い投資判断へつながります。
購入時の価値を維持しやすいか
出口戦略で失敗しないためには、売却に有利な物件を選んでおきたいです。しかし、資産価値が高い物件は、当然ながら購入価格も非常に高額になります。
マンション経営の出口戦略において本当に重要なのは、「購入価格から大きく値下がりしない」ことです。 大きなマイナス要素が少ない物件を選んでおけば、将来売却時に損をする可能性が低くなります。
「価値が下がりにくい物件」を見極めるには、以下の3つの視点が重要です。
・立地条件(土地の価値)
需要の高いエリアや物件の駅からの距離といった「立地」が良い物件は、建物が古くなっても土地値としての評価が残り、価格が下がりにくい傾向にあります。
・建物の寿命(建物の価値)
耐震性や耐久性に優れていると、建物が劣化しにくいため価値が維持されやすく、さらに劣化対策等級などの客観的な評価があると、将来の買い手にとっても安心材料となります。
・流動性(標準的で売りやすい)
デザイン性が高すぎたり個性的な間取りの物件よりも、多くの人が住みやすい標準的な間取りやデザインの物件のほうが空室リスクが低く、適正価格で買い手がつきやすく、出口戦略のリスクを低減できます。
このように、値崩れしにくい物件を選ぶことで、有利な条件で出口戦略を迎えることができるのです。
成功の鍵はパートナー選び!信頼できる管理会社を見抜く3つのポイント
マンション経営の成否は、物件そのもののポテンシャルだけでなく、購入後の運営を任せる「管理会社選び」にも大きく左右されます。マンションの「経営」を行うオーナーにとって、管理会社は重要なビジネスパートナーです。
優秀な管理会社は、収益の最大化とリスクの最小化を強力にサポートしてくれます。一方で、パートナー選びを間違えると、空室が埋まらない、トラブル対応が遅れるなど、経営そのものを揺るがす事態になりかねません。
ここでは、長く付き合える信頼できるパートナーを選ぶための、3つのチェックポイントを解説します。
高い入居率を維持する「客付け力」があるか
管理会社の重要な役割の一つが、空室を埋める「客付け(リーシング)」です。退去が発生した際、いかに迅速に次の入居者を決められるかが、キャッシュフローの安定に直結します。
客付け力が高い会社には、以下のような特徴があります。
・多くの不動産仲介会社と強いネットワークを持っている
・広く情報発信をする募集ノウハウがある
・物件の魅力を高める施策に力を入れている
単に管理戸数が多いだけでなく、「管理物件の平均入居率」や「平均空室期間」といった実績を具体的に確認しましょう。また、空室が埋まらない場合にどのような対策ができるか、その引き出しの多さも確認すべきポイントです。
資産を守り抜く「修繕ノウハウと提案力」
マンション経営において、避けて通れないのが建物の「修繕」です。修繕は単なる出費ではなく、資産価値を維持し、将来の収益を生むための重要な投資です。しかし、過剰な工事を行えばキャッシュフローを圧迫し、逆に放置しすぎれば建物の寿命を縮めてしまいます。
だからこそ、パートナーとなる管理会社が「修繕に強いか」は、オーナーの手取り利益を大きく左右する極めて重要なポイントとなります。具体的には、以下の強みを持っているかを確認しましょう。
・効率的で費用対効果の高い修繕工事のノウハウがある
・資産価値や収益力を維持、向上させるための提案
・各銀行に管理実績がある、資金計画に強い
信頼できる管理会社は、単に壊れた箇所を直すだけでなく、「どのタイミングで、どこに手を入れれば最も費用対効果が高いか」という経営視点での提案をしてくれます。 また、大規模修繕やリノベーションにはまとまった資金が必要になりますが、銀行からの評価が高い管理会社であれば、融資の相談や有利な資金計画のサポートをスムーズに受けられる点も大きなメリットです。このように、「経営者としての視点」を共有し、共に並走してくれる会社は、非常に心強いパートナーとなります。
「管理委託費用」に見合った「サービス内容」か
管理委託費用は、一般的に家賃収入の5%程度が目安とされていますが、安さだけで会社を選ぶのは危険です。費用が安くても、必要なサポートが受けられず、結果的に空室期間が長引いて損失が大きくなっては本末転倒だからです。
重要なのは、費用とサービス内容のバランスが適切であるかです。
先ほどの入居者募集や修繕の他にも、管理会社に委託する賃貸物件の運営業務は多岐にわたります。
・清掃やメンテナンス
・契約や家賃回収
・トラブル対応
委託手数料の中にどこまでの業務が含まれているのか、もし追加費用が発生するならどのようなケースなのか確認し、納得できるサービス対価であるかを確認することが大切です。
当初は「コストを抑えるために、そこまで手厚いサービスは必要ない」と考えていても、長い経営期間の中では、予期せぬ「万が一」は起こり得ます。そうした有事の際、オーナー任せにするのではなく、解決に向かって親身になり、共に動いてくれる会社であれば、安心して経営を続けていくことができるでしょう。
マンション経営に向いている人の特徴
マンション経営には、投資効果が得やすい方の特徴や、考え方や目的との相性があります。 ご自身の状況や性格が以下のような特徴に当てはまる場合、マンション経営は非常に適した資産形成手段と言えるでしょう。
もちろん、これらに当てはまらないと成功しないわけではありません。自分自身の資産状況や性格、投資目的と照らし合わせることで、マンション経営が最適な選択肢かどうかを判断する一つの材料にしてください。
社会的信用を活用できる「会社員・公務員」
毎月安定した給与収入がある会社員や公務員の方は、金融機関からの評価が高く、有利な条件で融資を受けやすいという強力な武器を持っています。
「他人資本(銀行からの融資)」を活用して、自分自身の信用力を大きな資産に変えることができるのは、安定収入がある方ならではの特権です。また、給与所得と不動産所得を損益通算することで、節税効果を得やすいというメリットも享受できます。
長期視点で「コツコツと資産を育てたい方」
短期的な価格変動で一喜一憂するのではなく、時間を味方につけてじっくりと資産を築きたい方に適しています。 定期的に入ってくる毎月の家賃収入や、時間をかけて積み上がっていく資産には、力強い安心感があります。また、実物資産である不動産は、インフレによって現金の価値が目減りするリスクへの備えにもなります。
「すぐに大金持ちになりたい」という投機的な思考ではなく、将来の安定や家族のために、着実な不労所得の基盤を作りたいという考え方と非常に相性が良い投資手法です。
「ビジネスオーナーの視点」を持てる方
マンション経営の最大の魅力は、自分が働くのではなく、「資産」と「ビジネスパートナー」に働いてもらうことで収益を得られる点にあります。
入居者募集やメンテナンスといった専門的な実務は、信頼できる管理会社に任せ、オーナー自身は「経営者」として報告を受けたり、最終的な判断を行う。 このように、実務を他者に委任し、自分はオーナー業に専念するという割り切りができる方は、本業で忙しくしていても、手間をかけずに安定した収益を生み出す「不労所得的な事業」を持つことができます。
自分で全てを抱え込むのではなく、優秀なパートナーと組むことで自分の時間を確保しながら利益を得る。この「事業オーナーとしての視点」を持てる方は、資産形成を効率よく加速させていくことができるでしょう。
まとめ
「マンション経営は儲からない」という声の多くは、リスクへの理解不足や、戦略なき物件購入によるものです。 しかし、ここまで解説してきた通り、正しい知識を持ち、リスクをコントロールする「戦略」と、信頼できる「パートナー」さえいれば、マンション経営は決して恐れるものではありません。むしろ、長期的に安定した収益をもたらし、あなたの人生を支える強固な資産となります。
最初から一人で全てを完璧にこなす必要はありません。まずはリスクを正しく理解し、信頼できるプロフェッショナルと共に一歩を踏み出すことが重要です。
もし、あなたのライフプランに合わせたシミュレーションや、具体的な物件選び、信頼できる管理体制について詳しく知りたいと思われたら、ぜひ一度、弊社までお気軽にご相談ください。 あなたの資産形成を成功に導くための最適なプランを、プロの視点からご提案させていただきます。
