アパート経営の利回りの計算方法│新築・中古物件の目安について

公開日:2023年11月10日
最終更新日:2024年04月02日
アパート経営の利回りの計算方法│新築・中古物件の目安について

「アパート経営の利回り計算ってどうやるの?」
「アパート経営をしたいけどどのくらいの利回りが期待できる?」

上記のような疑問を抱えている方もいるのではないでしょうか?

アパート経営を行うのであれば、利回り計算を行った上で最低ラインや目安を知っておく必要があります。

計算方法は複数あるため、あらかじめ覚えておけば、どのくらいのお金を投資すると期待できるリターン額を把握できるようになり、収支計画が立てられるでしょう。

本記事では、アパート経営の利回り計算の方法をお伝えし、投資目安や利回りに影響する要因について解説します。

不動産経営やマンション経営などを始めようかどうか悩みがある会社員の方は、ぜひ最後までご一読ください。

アパート経営に用いる利回りの計算方法

アパート経営に用いる利回りの計算方法

アパート経営に用いる利回りの計算方法は、主に以下の3つです。

  • 表面利回り
  • 想定利回り
  • 実質利回り

3つの計算方法を理解すれば、投資額に対するリターンのベクトルを把握でき、利回りの基礎知識も得られるでしょう。

いくらの利回りが期待できるのか、自分で正確な金額をシミュレーションできるように、以下の内容を参考にしてください。

表面利回り

表面利回りとは、1年間の賃料収入の投資額に対する割合のことです。

物件の年間の家賃収入を、その物件の購入価格で割った割合を示します。

計算方法は、以下の通りです。

表面利回り=(年間家賃収入÷物件購入価格)×100

例えば、物件価格が1,000万円で年間家賃収入が600万円と仮定すると、表面利回りは60%となります。

この数字が高いほど、投資効果が高いことを意味するのです。

なお、不動産会社などの物件情報には表面利回りが掲載されていることが多く、中古アパートにおける表面利回りの家賃収入は購入時の入居状況を加味しております。

想定利回り

想定利回りとは、家賃収入や費用を元に、将来の利益を予測する指標です。

物件の購入価格と空室のない状態の年間家賃収入で計算するやり方となり、算出方法は表面利回りと同じとなります。

想定利回り=(年間家賃収入÷物件購入価格)×100

計算式だけ見ると「表面利回りと意味合いも同じなのでは?」と思うかもしれませんが、想定利回りは、年間家賃収入が満室の状態で計算されているといった違いがあります。

複数の物件を所有している場合、収支の比較をするときなどに使うことが多い傾向です。

実質利回り

実質利回りとは、物件の年間家賃収入から、運営コストや税金を差し引き、物件の購入価格を含む全て費用で計算して「実際の利益」を示します。

利回り計算の中で重要になる指標となり、実際の数値に近い利回りが求められます。

具体的な計算方法は、以下の通りです。

実質利回り=(年間家賃収入-年間経費)÷(物件購入価格+購入時の諸費用)×100

例えば、物件購入価格が3,000万円で年間500万円の必要経費がかかり、年間の家賃収入が300万円、年間経費が100万円した場合は、以下のような計算となります。

(300-100=合計:200万円)÷(3,000+500=合計:3,500万円)×100=約5.7%

年間経費には固定資産税や火災保険料、管理費などが含まれ、購入時の必要経費は不動産取得税や登記費用、不動産仲介会社への手数料などが発生します。

関連記事

アパート経営における利回りの目安

アパート経営における利回りの目安

アパート経営における利回りの目安は、主に以下の通りです。

  • 利回りの最低ラインと理想的なラインについて件
  • 新築アパート経営の利回りの目安
  • 中古アパート経営の利回りの目安

利回りの目安を把握すれば、アパート経営で失敗するリスクを防げるでしょう。

それでは、順番に解説します。

利回りの最低ラインと理想的なラインについて

利回りには、最低ラインと理想的なラインがあります。

最低ラインの定義は、経営が赤字にならずに最低限の利益を確保できるラインのことです。基本的に、実質利回りの計算方法で3〜3.5%が目安とされています。

一方、理想的なラインは急な支出にも対応できるようなラインとされており、実質利回りの計算方法で5%程度が目安です。

ただし、あくまで目安であり、立地条件や投資額などによって目安は異なります。

最低ラインと理想的なラインについて理解し、アパート経営を成功させるための参考情報として覚えておきましょう。

新築アパート経営の利回りの目安

新築アパート経営の場合、平均利回りは3%〜8%とされています。

地域によっても利回りの相場が変わりますが、一般的に中古アパートに比べて利回りが低くなる傾向があります。

理由は、新築アパートは中古アパートに比べて取得価格が高額になるケースが多いからです。

新築アパートを経営する場合、中古アパートよりも利回りが低いことを覚えておきましょう。

中古アパート経営の利回りの目安

中古アパート経営の場合、実質利回りの相場は5%〜8%とされています。

地域によって利回りが変動することはもちろん、中古アパートの場合だと、築年数によっても実質利回りが変わってきます。

築年数が古い建物は修繕費用などがかかるケースが多く、正しい割合を出すには修繕費用などの経費を計算に含められるようにすると良いでしょう。

アパート経営で利回りに影響する要因

アパート経営を行う場合、利回りに影響する要因はさまざまですが、主に挙げられるのは、主に以下3つです。

  • 家賃収入の減少
  • メンテナンスのための積み立て費用
  • 金利の変動

利回りに影響する理由を意識しておけば、アパート経営がうまくいくかどうかの判断がしやすくなるでしょう。

順番に解説します。

家賃収入の減少

アパート経営で利回りに影響を与える要因の1つは、家賃収入の減少です。

アパートの空室や賃料の下落、​​周辺エリアの生活需要などは家賃収入が減少する要素となります。

例えば、地方や都市部などといった地域の需要変化や競合物件の増加などが原因となり、家賃相場よりも家賃を引き下げる必要があることが考えられます。

そのため、収益が減少し利回りが低下する可能性があるのです。

適切な家賃設定と市場動向の把握は重要となり、緻密な分析を行うことで、結果的に長期的な安定収益を確保できます。

空室対策を行うためにも、家賃収入の減少リスクを考慮した取り組みを行えるようにしましょう。

メンテナンスのための積み立て費用

メンテナンスのための積立費用も、アパート経営で利回りに影響します。

建物や設備の経年劣化は避けられません。築年数がある程度経過したタイミングでリフォームが必要になり、およそ10年から15年ごとに大規模修繕を行うことが多い傾向です。

特に塗装や外壁の防水処理などの大規模な修繕の費用は高額になりやすいため、将来必要となる経費として収益から積み立て費用を毎月差し引いて確保する必要があります。

積み立てた資金を使って定期的な修繕や改修を行うことで、物件の状態を維持し、入居者の満足度を保ちます。

適切なメンテナンス計画と資金の確保を行うことで、長期的な安定収益を確保することが可能です。

自己資金を貯めたり修繕積立を行ったりなどして、プランをしっかりと練り、メンテナンスにかける金額に余裕を持たせておくことが大切と言えるでしょう。

金利の変動

アパート経営で利回りに影響する要因には、金利の変動もあります。

購入時に変動金利でローンを借り入れると今後金利が上昇する可能性があり、物件購入時よりも金利が上がると月々の返済額が増加し、支出が増えてしまうといったデメリットがあります。

これにより、利益が減少し利回りが低下してしまうのです。

逆に金利が低下すれば、借入金のコストが軽減され、収益が向上することもあります。

金利変動の影響を最小限に抑えるためには、適切な融資条件の選定やリスクヘッジの検討が重要です。

特に変動金利型のローンを組むときは金利の変動を加味したり、契約時の金利が高めでも金利が変動しない固定金利を選んだりする必要があるでしょう。

アパート経営で高利回りを目指すためのポイントと注意点

アパート経営で高利回りを目指すには、主に以下のポイントと注意点を確認しておく必要があります。

  • 単身者向け物件とファミリー物件を合わせて検討する
  • 建物の付加価値を上げて競合物件と差をつける
  • 適切な管理形態を選ぶ

アパート経営で高利回りを目指すコツを知っておくことで、収益物件を確保しやすくなり、納得のいく不動産投資ができるでしょう。

それでは、順番に解説します。

単身者向け物件とファミリー向け物件を合わせて検討する

単身者向け物件は低い賃料設定が可能で、賃貸物件におけるニーズの幅を広げます。

また、単身者向けの物件は賃貸需要が高めの傾向にあり、空室が出ても比較的早めに新しい入居者が見つかります。

ただし、空室期間が短く回転率が高いために、部屋の原状回復頻度が多くなるといったリスクも存在します。

単身者物件がもつリスクに備えて、ファミリー向け物件を並行して選ぶことも検討していきましょう。

単身者物件とファミリー向け物件の経営を同時にすることで、リスク分散につながり、結果的に安定した高利回りを確保できます。

また、地域の需要や競合物件も考慮し、バランスの取れた設計と適切な家賃設定が必要です。

投資の収益性と市場の需要を見極めつつ、綿密な計画を立てましょう。

建物の付加価値を上げて競合物件と差をつける

アパート経営で高利回りを目指すためには、建物の付加価値を高めて競合物件と差をつけることが重要です。

周辺の競合アパートにはないサービスや付加価値をつけることで、物件の魅力が上がり家賃を高めに設定しやすくなります。

例えば、セキュリティシステムの導入、共用施設の充実、エネルギー効率の向上などが挙げられます。

また、デザインや内装の工夫も差別化に繋がり、物件の価値を上げられるでしょう。

ただし、付加価値を付けるために費用をかける場合、短期的に利回りが悪化するおそれもあるため、注意が必要です。

適切な管理形態を選ぶ

適切な管理形態を選ぶことも、アパート経営で高利回りを目指すためには重要なことです。

アパート経営は、管理方式によって管理委託費や賃料収入が変わる仕組みとなっており、大きく分けて以下2つに分けられます。

  • 管理委託方式
  • 家賃保証型サブリ-ス

管理委託方式とは、管理全般を管理会社に任せる方式で、家賃保証型サブリ-スは、空室があっても一定の賃料は保証されるが満室経営時の利回りは自主管理よりも低くなります。

それぞれのメリット、デメリットを考慮し自分に合った管理形態を選ぶと良いでしょう。

アパート経営を検討している方は新日本コンサルティングへ!

本記事では、アパート経営の利回り計算の方法をご紹介し、投資目安や利回りに影響する要因について説明しました。

アパート経営に関する利回り計算のやり方は、「表面利回り」「想定利回り」「実質利回り」の3種類あります。

それぞれの特徴を把握し、投資額に対するリターンを考えてアパート経営を行わなければなりません。

キャッシュフローを把握することはもちろん、高利回りを目指すのであれば、建物の価値を上げたり、自分に合った管理形態を選んだりする必要があるでしょう。

もし、アパート経営を始めたいと思っている方がいましたら、管理まで含めて長期間のサポートが充実している新日本コンサルティングの活用がおすすめです。

新日本コンサルティングでは、不動産投資をサポートするプロ集団として、初期費用の目安や空室率を下げられるような収益が期待できる物件選びのやり方などを提案いたします。

確実に賃貸収益の見込める魅力的な賃貸住宅を知ることができるほか、空室保証のついた安心のサブリース運用もでき、自分に合った管理形態を選べます。

実績もあり、賃貸経営に関するご相談を無料で承っておりますので、以下からお問い合わせし、気軽に無料相談の利用を検討してみてください。

不動産投資のご相談、賃貸管理、リフォーム・工事のご相談なら
新日本コンサルティングにお任せください

「ホームページを見た」とお伝え頂けるとスムーズです。

この記事の監修者:北嶋 憲

北嶋 憲

株式会社新日本コンサルティング アセットマネジメント事業部部⾧

1974 年1月生まれ
自身も複数棟のアパート経営を行うサラリーマン大家

【保有資格】
・宅地建物取引士
・不動産コンサルティングマスター
・AFP