アパート経営の経費にはどのようなものがある?種類や計上のポイントをご紹介

公開日:2023年11月13日
最終更新日:2024年04月02日
アパート経営の経費にはどのようなものがある?種類や計上のポイントをご紹介

「アパート経営の経費はどんなものがある?」
「アパート経営で経費として計上できないものは?」

上記のような疑問を抱えている方もいるのではないでしょうか?

アパート経営で得られた収入は、経費を引いた分が利益として自分の手元に残りますが、そこに税金がかかります。

少しでも税負担を抑えるためには、経費を有効活用する必要があるのですが、まずは経費となる項目を事前に理解しておく必要があるでしょう。

本記事では、アパート経営で経費として計上できる費用とできない費用をご紹介し、計上する際の注意点まで解説します。

アパート経営や不動産経営に興味があり、経費に含められるものが知りたいサラリーマンの方は、ぜひ最後までご一読ください。

アパート経営の経費とは?

アパート経営の経費とは?

アパート経営は収益を得るための不動産投資の一形態であり、成功するためには正確な経費の把握が重要です。

ここでいう経費とは、アパート経営をするにあたって、使わなければいけない費用のことを指します。

アパート経営の経費として認められた費用は確定申告で控除の対象となり、アパート経営で得た収入から経費を引いた金額で所得税を計算します。

経費の判断基準は、アパート経営に関連している費用かどうかであり、事業に関連のない費用は経費として認められません。

仮にアパート経営に関連ない経費を計上して確定申告した場合、修正申告をすることになり、場合によってはペナルティを課せられるケースもあります。

まずはしっかりとアパート経営で経費として計上できる費用を把握することが大切です。

アパート経営で経費として計上できる費用

アパート経営で経費として計上できる費用

アパート経営で経費として計上できる費目は、以下の通りです。

経費として計上できる費用説明
アパート経営に関係する税金固定資産税や都市計画税、印紙税など
管理委託費マンションの管理会社に対して毎月支払いが必要な費用
水道光熱費アパート共用部にかかる水道代と電気代
修繕費屋根や外壁などの劣化部分の修繕
入居者募集のための費用入居者を募集する際に不動産会社へ支払う仲介手数料
各種保険料火災保険や地震保険など
借入金の利息アパートを取得した際に借りたお金の返済にかかる利息
税理士や弁護士など専門家への報酬相談した際にかかる費用
減価償却費建物が経年劣化していく部分にかかる金額(=資本的支出)

これらの経費は、アパート経営を行うにあたり、業務に直接関連がある費用となるため、経費として計上可能です。

例えば、アパートは経年劣化するため、長期的に資産価値を維持するためには修繕費は欠かせませんし、地震や火災などの万が一のトラブルに備えて保険に入る必要があります。

アパート経営における経費の正確な計上は、投資の収益性を評価し、資産の長期的な価値を最大化する上で欠かせません。

今後確定申告をスムーズに行うためにも、計上できる費用の線引きを確認しておきましょう。

アパート経営で経費として計上できない費用

一方、アパート経営のために支出しても経費として計上できない費目があり、主に以下の費用が該当します。

経費として計上できない費用説明
アパート経営に関係しない税金所得税や住民税など
土地の購入費用初期費用にかかる土地の購入費
不動産購入の仲介手数料不動産を購入するときにかかる費用
借入金の元本アパートを取得した際に借りたお金の元本部分
修繕積立金アパートの修繕工事に備えて毎月積み立てるお金

これらの費用は、業務に直接関連しない費用とみなされているため、経費として計上することが不可能です。

例えば、土地の購入費用は建物と異なり年数が経っても価値が減らないので経費として認められませんし、借入金の元本部分は借りたお金を返済するだけで、事業のために発生した費用ではありません。

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アパート経営で経費として認められないものを計上してしまうと、確定申告時に不適切な節税対策とみなされてしまいます。

最悪の場合、ペナルティの発生対象となるリスクがあるため、経費として計上できるかできないかの違いを比較して、細心の注意を払いましょう。

アパート経営で経費を計上する際の注意点

アパート経営で経費を計上する際の注意点は、主に以下2つです。

  • 経費にできるかわからない場合
  • アパート経営が赤字の場合

事前に経費を計上する際にどんなことに気をつければいいか理解しておくことで、誤った節税をせずに済むでしょう。

それでは、順番に解説します。

経費にできるかわからない場合

アパート経営とプライベートの両方で使用している費用は経費として計上できるか不明瞭な場合がありますが、もし経費にできるかわからなければ、第三者に相談するのがおすすめです。

ここでいう第三者とは、以下のような人たちが該当します。

  • 税理士
  • 不動産投資に詳しい法人

経費の計上は、アパート経営の収益最大化と法的遵守の両方に影響を与えます。

仮に経費として認められない費用を経費として計上すると税務署から修正申告を指摘されるおそれがあり、最悪の場合ペナルティが発生する可能性もあるでしょう。

税理士や不動産投資に詳しい法人などは、不動産投資に関する高いノウハウを持っているため、どの費用が経費として計上できるかを明確にしてくれます。

経費として認められる費用がわかれば、安心して確定申告ができるようになります。

アパート経営を行うにあたって、正確な経費を計上したいけれどあまり知識がないという方は、税理士や不動産投資に詳しい法人などの利用を検討してみましょう。

アパート経営が赤字の場合

アパート経営が赤字の場合は、原則確定申告をする義務はありません。

しかし、アパート経営以外にも所得がある場合は、確定申告をしたほうが良いとされています。

理由は、「損益通算」という制度によって、利益と損失を相殺できるからです。

例えば、本業である給与所得が500万円あり、アパート経営で100万円赤字が出たとします。

アパート経営は赤字であるため、所得税は発生せず、以下のように給与所得と合算ができます。

500万円(給与所得)-100万円(アパート経営の赤字分)=300万円(損益通算後の所得)

すなわち、損益通算を行うことで、アパート経営の赤字分だけ給与所得を少なくでき、節税効果が期待できます。

税負担を軽減できるようになれば、その分の取り分を得ることができ、手取り額が増えるといったメリットが得られるでしょう。

アパート経営で赤字が出たとしても、他の所得があれば損益通算を適用して税金対策できるチャンスがあるのは、非常に嬉しいポイントです。

アパート経営の経費を確定させる方法

アパート経営の経費を確定させる方法は、主に以下2つです。

  • 確定申告を行う
  • 必要書類を提出する

スムーズに経費を計上できるよう、事前に経費の確定方法を知っておく必要があります。

以下2つの内容を参考にしてみてください。

確定申告を行う

アパート経営の経費を確定させるためには、税務署に確定申告を行うことが不可欠です。

確定申告は、自分の所得を明確にして正確な納税額を確定させることが目的であり、アパート経営で得た利益は不動産所得にあたります。

具体的な不動産所得の算出方法は、以下の計算式です。

不動産所得(課税所得)=不動産に係る収入ー不動産に係る必要経費

副業としてアパート経営を行う場合は、この式で求められた不動産所得の金額が20万円以上であれば、確定申告が必要になります。

逆に利益が20万円以下なら確定申告をする必要はありません。

また、確定申告の際には、経費の詳細な明細を正確に記録する必要があります。

これには修繕費、管理費、公共料金、保険料、利息部分の費用などが含まれ、領収書といった証明できるものが必要です。

確定申告の期間は、毎年2月16日から3月15日までの間となり、1日でも過ぎると延滞税がかかるため、必ず確定申告するタイミングをスケジュールに入れておきましょう。

必要書類の例

アパート経営の経費を確定させるには、確定申告書のほかにも、さまざまな必要書類を揃えて大切に保管する必要があります。

ここでいう必要書類とは、主に以下の種類です。

賃貸契約書入居者と締結する契約書
家賃の送金明細書賃貸管理会社を通して家賃を得ている際に、賃貸管理会社から振り込まれる家賃の明細が記載されている書類
借入金の返済予定表住宅ローンの返済予定が記載されている一覧表
領収書それぞれ経費として使った費用の領収書
保険証券火災保険や地震保険などの保険契約を行った際に、保険会社から契約者に交付される契約内容が記載されている書類
税金の納付通知書各種税金を納めた事実が記載されている書類
その他

アパート経営で得た所得や経費を確定させる際は、上記のような「収支を証明する」書類が必要となります。

契約書や領収書など収入や支出に関わる書類については、無くさないようにしっかりと管理・保管しておきましょう。

アパート経営の経費に関するご相談は新日本コンサルティングまで!

本記事では、アパート経営で経費として計上できる費用とできない費用をご紹介し、計上する際の注意点まで解説しました。

アパート経営の経費は、アパート経営に直接関連があるかどうかが判断材料となります。

正しい経費の計上ができれば、翌年に確定申告を行う際、スムーズに対応でき、安心してアパート経営ができるようになります。

正しく経費計上を行うためには、領収書や契約書の保管も重要となるため、しっかりとお金の管理をしておきましょう。

新日本コンサルティングでは、不動産所得の経費に関する相談や管理まで含めて長期間の充実したサポートを提供しております。

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この記事の監修者:宮永 泰宏

宮永 泰宏

宮永会計事務所 代表税理士 / 日本M&Aセンター 所長

【保有資格/認定】
・税理士登録(65907)
・MAS監査プランナー事務所認定