マンション経営で赤字に!?収支悪化のリスクと回避のための対策

公開日:2025年03月31日
最終更新日:2025年04月07日

資産形成の手段として魅力的なマンション経営ですが、投資であるため収支の悪化により赤字に陥るリスクも存在します。マンション経営で赤字が続くと期待していた利益が上げられず、場合によっては負債を背負ってしまうおそれもあるのです。

本記事では、マンション経営における赤字のリスクやその原因、そして赤字を回避するための対策について解説します。本記事を参考に、安定したマンション経営を目指しましょう。

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マンション経営で赤字になるとどうなる?

一口に「赤字」と言っても、マンション経営には2種類の赤字があることを知っているでしょうか。まずはマンション経営において、どのような赤字があるのかを説明します。

マンション経営における赤字の種類

マンション経営における赤字には、「キャッシュフロー上の赤字」と「会計上の赤字」の2種類があります。

キャッシュフロー上の赤字は、実際の現金の収支が赤字になっている状態を指します。つまり、マンション経営からの収入よりも、現金支出のほうが多い状況です。一方、会計上の赤字は帳簿上で赤字になっている状態を指します。マンション経営の収入が実際の現金支出より多くても、計上する減価償却費等によって帳簿上の赤字が発生することがあるのです。

減価償却とは、建物や設備の価値が時間とともに減少していくことを会計上で表現するための仕組みです。減価償却費は現金の支出を伴わない経費であるため、実際の現金収支がプラスであったとしても、帳簿上では赤字になっている、という状況が生まれます。

マンション経営の赤字によって生じるリスク

キャッシュフロー上の赤字は、マンション経営において深刻なリスクとなり得ます。キャッシュフロー上の赤字が続くと現金が減り続けるため、ローン返済や建物のメンテナンスなどに影響を及ぼすおそれがあります。最悪の場合、ローンの返済が滞り、マンションを手放さざるを得なくなる可能性もあります。

また、継続的な赤字はマンションの資産価値にも悪影響を与えます。適切なメンテナンスや修繕が行えずマンションの魅力が低下すれば、家賃収入の減少や物件そのものの価値の下落にもつながります。さらに、赤字が続けば金融機関からの信用も低下し、追加の融資を受けることが難しくなる可能性もあります。

マンション経営が赤字になる理由

マンション経営で赤字が発生するのにはさまざまな要因があります。ここでは、主な原因として以下の5つについて解説します。

  • 収支の想定の甘さ
  • 空室の増加
  • 家賃の下落
  • 突発的な費用の増加
  • 間違ったタイミングでの売却

収支の想定の甘さ

マンション経営が赤字になる理由の一つは、収支計画の甘さです。マンション経営を始める際の収支計画の精度が悪い場合、実際の運営において赤字に陥るリスクが高まります。

例えば、入居率を常に100%と想定して収入を計画していた場合、空室が発生すると想定していた収入に届かなくなります。常に満室状態で経営するのは非現実的のため、収支計画を立てる際は一定の空室率を考慮した収入の見積もりが必要です。また、管理費や修繕費、保険料などの経費を過小に見積もったり、不動産取得税や固定資産税、都市計画税といった税金を見落としたりすることも赤字につながります。これらの費用が計画上で抜けている場合、想定外の支出が生じ、収支計画が大きく崩れるおそれがあります。

空室の増加

マンション経営において予想を上回る退去が発生して空室率が高止まりすると、家賃収入が減少し、赤字に陥るリスクが高まります。空室が増えるのにはいくつかの要因が考えられます。

まず、立地条件の変化です。周辺環境が悪化したり、より魅力的な新築物件が近隣に登場したりすると、既存のマンションの競争力が低下することがあります。また、物件の老朽化も大きな要因です。適切なメンテナンスや設備の更新を怠れば、物件の魅力が低下し、入居希望者が減少する可能性があります。さらに、家賃設定が周辺相場に比べて高いために、入居者が集まりにくくなることも考えられます。

家賃の下落

マンションの築年数の経過により、家賃を値下げせざるを得ない場合があります。物件が古くなることで、家賃を下げないと入居者が集まりにくくなるためです。また、マンション周辺の環境変化や競合物件の増加といった外部要因によって値下げが必要になるケースもあります。その結果、空室が少ない場合でも、想定していた家賃収入を得られない事態に陥ります。

突発的な費用の増加

マンション経営では予期せぬ費用が発生することがあり、これが収支を大きく圧迫する場合があります。具体的には、修繕や設備交換、退去後のリフォームといった突発的な支出がローン返済などの固定費に加わることで、経営を赤字に陥らせる可能性があります。

間違ったタイミングでの売却

マンション経営の出口戦略として売却を選択することがありますが、そのタイミングを誤ると大きな損失を被る可能性があります。不動産市況やマンションの状態が悪化している場合、想定よりも低い価格での売却を余儀なくされることがあります。特に、急に現金が必要になり売却を急ぐ状況では、希望する価格よりも大幅に低い金額で手放すリスクが高くなります。その結果、マンション経営で発生した費用が得た収益を上回り、経営全体で損失を出すことになりかねません。

マンション経営で赤字を防ぐポイント

マンション経営の赤字を防ぐには、物件選びから日々の管理まで、さまざまな要素に注意が必要です。ここでは、赤字を防ぐポイントとして以下の7つを取り上げます。

  • 立地の良い物件を選ぶ
  • 信頼できる建築会社でマンションを建てる
  • 管理状態の良い中古マンションを購入する
  • 空室対策を徹底する
  • 管理委託費の見直しをする
  • 修繕資金を計画的に積み立てる
  • 不動産投資ローンの契約内容を見直しする

立地の良い物件を選ぶ

マンション経営で安定した収益を得るためには、立地条件の良い物件を選ぶことが重要です。賃貸需要の高いエリアで物件を購入することが、赤字リスクを低減するための第一歩となります。

まず、賃貸物件を選択する多くの人にとって、駅からの距離は物件選びの大きな基準となります。そのため、駅までのアクセスを重視して物件を選びましょう。理想は徒歩10分以内の距離が望まれますが、バス利用が必要な立地でも、バス停までの距離が近いとアクセスが良いと認識される可能性があります。

次に、周辺環境も考慮すべきポイントです。スーパーマーケットやコンビニエンスストア、医療施設といった生活利便施設が充実しているエリアは、入居者にとって魅力的です。また、治安の良さも住みやすさを左右する重要な要素となるため、街灯が豊富にあるかなど、安心して暮らせる場所かどうかも確認しましょう。

さらに、長期的な賃貸需要の変化を見据えた選定も必要です。例えば、都市開発計画や人口動態を考慮し、将来的に需要が期待できる地域を選びましょう。新しい鉄道路線の開通が予定されている地域や、企業・大学の進出計画があるエリアは、将来的な資産価値の上昇が見込まれるため、長期的な収益性に寄与する可能性があります。

信頼できる建築会社でマンションを建てる

更地にマンションを新築する際には、どの建築会社で建てるかも大切なポイントです。信頼できる建築会社を選ぶことで、高品質なマンションを適正な価格で建設できるだけでなく、将来的なトラブルや予期せぬ修繕による支出を抑えられます。

建築会社を選ぶ際は、まず施工実績を確認することが重要です。過去に手掛けた物件の品質や、類似した規模・仕様のマンションの実績を調べ、可能であれば実際に建築された物件を見学して状況を確かめることをお勧めします。

次に、建築会社が提示する提案内容も重要な判断基準です。入居者のニーズをしっかりと把握し、それに応える設計や設備の提案ができる会社であるかどうかを確認しましょう。マンション経営では、オーナーの好みではなく、ターゲットとする入居者が「住みたい」と感じる物件を建てることが成功の鍵となります。

建築費用の適正性も慎重に見極める必要があります。複数の会社から見積もりを取り、費用を比較するのは有効ですが、単に価格の安さだけで選ぶのではなく、品質とのバランスを考慮することが重要です。

また、建築プロジェクトは長期間に及ぶため、担当者とのコミュニケーションの円滑さも選定基準として見逃せません。信頼できる担当者であれば、スムーズにプロジェクトを進行させることができるでしょう。

管理状態の良い中古マンションを購入する

中古マンションには、新築に比べて取得費用を抑えやすく、利回りが高くなりやすいという魅力があります。しかし、管理状態を見極めずに購入すると、想定外の支出が発生するリスクがあるため注意が必要です。そのため、購入前に必ず内見を行い、共用部分の清掃状況、設備の稼働状況、外壁の劣化具合などを細かくチェックしましょう。これにより、建物全体の状態を把握できます。

また、修繕履歴の確認も忘れずに行いましょう。過去の修繕履歴を確認し、適切なメンテナンスが行われているかを判断してください。大規模修繕が適切なタイミングで実施されているか、また今後の修繕計画が明確に立てられているかも重要なポイントです。

空室対策を徹底する

安定的に入居者を集めるには、入居者のニーズを反映したマンションづくりが必要です。具体的な対策として、まずは物件の魅力を高めることが挙げられます。定期的なリフォームや設備更新を行い、キッチンやバスルームといった重要な箇所を重点的に整備することで、競争力を維持できます。ただし、時代とともにニーズは変わります。日頃からどのようなマンションが望まれているかを情報収集し、ニーズに合わせてアップデートを行いましょう。

管理委託費の見直しをする

管理委託費は管理会社によって異なるため、サービス内容と費用のバランスを考慮して選ぶことが重要です。複数の管理会社から見積もりを取得し、比較検討を行いましょう。

依頼する管理業務の内容も管理委託費の金額に関わるため、慎重に判断すべき項目の一つです。すべての業務を管理会社に委託するのではなく、一部を自主管理で行うことで、費用を削減できます。また、管理会社と長期契約を結ぶことで管理委託費のディスカウントを交渉できるケースがあるため、選択肢の一つとして覚えておきましょう。

ただし、管理委託費を削減する際には、サービスの質が低下しないよう注意が必要です。質の高い管理サービスは、物件の魅力を保ち、空室率の低下や長期的な物件価値の維持に寄与する可能性があります。費用削減のみに目を向けるのではなく、長期的な視点で物件の管理戦略を立てることが大切です。

修繕資金を計画的に積み立てる

マンション経営では突発的な修繕費用に備えるため、計画的に資金を積み立てることが重要です。マンションは定期的な大規模修繕が必要になるため、どのくらいの費用がかかるかを事前に算出し、それに基づいて準備を進めることが経営の安定化につながります。

修繕資金については定期的な見直しも行いましょう。建物の劣化状況や物価変動、新しい修繕技術の導入など、環境の変化に応じて計画を更新し、積立金が不足しないよう調整します。

大規模修繕の費用を短期間で用意するのは困難です。そのため、計画的にコツコツと積み立てることで、将来の大きな支出を平準化し、経営に余裕を持たせられます。

不動産投資ローンの契約内容を見直しする

ローンの返済が原因で赤字が出ている場合、契約内容の見直しを検討しましょう。

まず、返済期間を延長すれば、月々の返済額を減らすことが可能です。ただし、返済期間が延びる分、総支払額が増える点には注意が必要です。また、借り換えを行うことも有効な選択肢です。金利が低い他の金融機関に借り換えることで、返済負担が軽減される可能性があります。

短期的な収支悪化であれば、返済猶予を利用する選択肢もあります。この方法では一定期間、元金の返済をストップし、利息のみを支払うことで返済の負担を軽減できます。ただし、総支払額が増えることになるため、安易に利用するのではなく、金融機関の担当者や不動産会社、税理士などの専門家の意見を踏まえて判断するのが望ましいでしょう。

なお、契約内容の変更を行う際には、借入先の金融機関との交渉が必要になります。変更にあたっては審査があり、必ずしも変更が認められるわけではない点は覚えておきましょう。

マンション経営の悩みに関するご相談は新日本コンサルティングまで!

マンション経営の赤字の種類から赤字になる原因、回避する方法まで幅広く解説しました。マンション経営は投資である以上、必ず期待する利益が出るとは限りません。また、突発的に費用が発生したり、空室が出て収益が落ち込んだりと、計画通りに運営が進まないケースも多いでしょう。

そこで、赤字をできる限り回避して安定的にマンション経営を行うためには、信頼できるパートナー選びが重要となります。信頼できる不動産会社をパートナーにできれば、経営に関して多くのアドバイスやサポートを受けられ、安定したマンション経営を実現しやすくなります。

新日本コンサルティングは、マンション経営に関する豊富な経験と専門知識を持ち、物件選びから運営管理まで、マンション経営に関する総合的なサポートを提供しています。マンション経営に興味のある方は、ぜひ以下から気軽に資料請求やお問い合わせください。

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この記事の監修者:北嶋 憲

北嶋 憲

株式会社新日本コンサルティング アセットマネジメント事業部部⾧

1974 年1月生まれ
自身も複数棟のアパート経営を行うサラリーマン大家